南部鉄器に憧れて、鉄瓶を我が家に迎え入れました。「手入れは難しい?」そんな心配をよそに、手間が日々の癒しになることに気づいたのは、使い始めてすぐのこと。

初めて使うとき、まずは鉄瓶に問題がないか丁寧にチェックしました。取っ手にぐらつきがないか、破損や欠けはないか。「大丈夫だね」と自分に話しかけるように確認しました。
鉄瓶を家族の一員にするために、『ならし作業』という最初のステップがあります。
【ならし作業の手順】
- はじめに鉄瓶本体を軽くすすぐ。
-
鉄瓶に水を8分目まで入れて中火で沸騰させる。
-
沸騰したらお湯を捨てる作業を2〜3回繰り返す。 ※火力が弱すぎるとお湯が濁るため、中火が最適です。
日常的な手入れもシンプルです。
【毎日のお手入れ】
-
使用後すぐに鉄瓶のお湯をすべて捨て、空にする。
-
蓋を取り、余熱や軽い空焚きで内部を完全に乾燥させる。
-
内側には手を触れず、湯垢の膜を大切にする。
使っていくうちに鉄瓶の内側には徐々に白い湯垢の膜ができてきます。それを見るたびに、自分が手をかけて育てているようで心が温まります。
お湯の濁りが出たりお湯ににおいがついてしまったら、次のようなお手入れを試してみてください。
【お湯の濁りが出たときのお手入れ方法】
-
鉄瓶に水を8分目まで入れ、煎茶を茶さじ一杯だしパックに入れて加える。(市販のお茶のティーパックも可)
-
中火以下で30分煮出す。 ※煎茶のタンニン成分が錆を抑えてくれます。
- お茶を捨て、軽くすすいだ後、お湯を1~2回沸かして下さい。沸かしたお湯に濁りがなければそのままお使いいただけます。
日々のお手入れはむしろ自分への小さなご褒美。南部鉄器とゆったり向き合う時間は、私にとってとても贅沢な時間になっています。