【ひと息つく午後に南部鉄器】急須がくれる、心をほどく時間

ふとした午後、あなたはどんなふうに休憩していますか?

在宅ワークの合間、14時を過ぎたころ。画面に映る文字がかすんできたら、私はそっと椅子から立ち上がります。窓を少しだけ開けて風を通し、台所に向かう。

いつも使っている南部鉄器の急須を手に取り、お湯を注ぐ音が、静かな部屋に心地よく響く。ほんのりあたたかい気配がキッチンに広がって、どこか安心するのです。

 

今日はほうじ茶にしよう。湯気と一緒に立ち上がる香りを、胸いっぱいに吸い込むと、少しだけ目が覚める。鉄器の重みが、急がなくていいと語りかけてくるようで、あわただしい頭の中がすうっと静まる。

手にしたカップから伝わるぬくもり。一口飲むと、いつもの味にほっとする。南部鉄器だからこその熱の持ちと、ゆっくりじんわり引き出されたおいしさ。忙しさを言い訳にせず、こういう時間を持ちたいと思えるのです。

 

使い始めて4年目。最初よりも、少しつやが出てきた気がします。

 

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